VRAM 8GBのGPUでStable Diffusionを快適に動かす設定方法を詳しく解説。メモリ不足エラーの解決策、最適化設定、推奨解像度、モデル選択のコツまで、初心者でもわかりやすく説明します。RTX 4070、RTX 3070などの8GB GPUユーザー必見の実践ガイドです。
VRAM 8GBでStable Diffusionは十分使える?
RTX 4070、RTX 3070、RTX 4060 Tiなどの8GB VRAMを搭載したGPUをお持ちの方から、「Stable Diffusionを快適に使えるか不安」という相談をよく受けます。
結論から言うと、8GB VRAMでもStable Diffusionは十分快適に動作します。ただし、適切な設定と最適化が必要です。
8GB VRAMの現実的な使用感
- 512×512から1024×1024の画像生成が快適
- 適切な設定で大型モデルも使用可能
- ControlNetなどの拡張機能も利用できる
- 複数のLORAを同時使用可能
一方で、4K画像の直接生成や、非常に重いモデルの同時使用には制限があります。しかし、工夫次第でこれらの問題も解決できるのが8GB VRAMの魅力です。

VRAM使用量の基礎知識
Stable Diffusionのメモリ消費パターン
Stable DiffusionのVRAM使用量は以下の要素で決まります:
- ベースモデルのサイズ:SD1.5で約2-3GB、SDXLで約6-7GB
- 生成解像度:512×512で約1GB、1024×1024で約4GB
- 拡張機能:ControlNet、IP-Adapterなどで追加消費
- LORAモデル:1つあたり100-200MB程度
メモリ不足が起きるタイミング
8GB環境でよくあるメモリ不足のパターンは:
- SDXLモデルで高解像度生成を行う
- 複数のControlNetを同時使用する
- 大量のLORAを読み込む
- 他のアプリケーションがVRAMを使用している
8GB環境での最適化設定【実践編】
Automatic1111(A1111)での設定
1. 起動オプションの最適化
A1111を起動する際のwebui-user.batファイルに以下のオプションを追加:
set COMMANDLINE_ARGS=--medvram --opt-split-attention --no-half-vae
各オプションの説明:
- –medvram:中程度のVRAM節約モード
- –opt-split-attention:アテンション計算を分割してメモリ使用量を削減
- –no-half-vae:VAEの精度を保ちつつ安定性を向上
2. Settings内の最適化設定
A1111の設定画面で以下を調整:
- Batch count:1-2枚ずつ生成
- CLIP skip:2に設定(SD1.5の場合)
- Eta noise seed delta:31337
- Live previews:無効化
ComfyUIでの最適化設定
ComfyUIを使用する場合の推奨設定:
- Model management:「gpu」または「auto」を選択
- VAEの分離読み込み:メインモデルと別々に管理
- ノードの最適化:不要なプレビューノードを削除

解像度別推奨設定とモデル選択
解像度別VRAM使用量ガイド
| 解像度 | SD1.5使用量 | SDXL使用量 | 推奨度 |
|---|---|---|---|
| 512×512 | 約3GB | 約6GB | ◎非常に快適 |
| 768×768 | 約4GB | 約7GB | ○快適 |
| 1024×1024 | 約5GB | 約8GB(限界) | △注意が必要 |
| 1536×1536 | 約7GB | メモリ不足 | ×非推奨 |
モデル別推奨設定
SD1.5系モデルの場合
- 最大解像度:1024×1024まで安全
- ControlNet:2-3個まで同時使用可能
- LORA:5-8個まで同時使用可能
SDXL系モデルの場合
- 推奨解像度:1024×1024以下
- ControlNet:1個まで
- LORA:2-3個まで
メモリ不足エラーの解決方法
「CUDA out of memory」エラーが出た時の対処法
即座に試せる解決策:
- 他のアプリケーションを閉じる
– ブラウザのタブを減らす
– 動画再生アプリを停止
– ゲームクライアントを終了 - 生成設定を下げる
– 解像度を512×512に変更
– Batch sizeを1に設定
– Sampling stepsを20-30に削減 - モデルを軽量化
– SDXLからSD1.5に変更
– LORAの数を減らす
– ControlNetを一時的に無効化
根本的な解決のための設定変更
1. 起動オプションの強化
メモリ不足が頻発する場合は、より強力な節約モードを使用:
set COMMANDLINE_ARGS=--lowvram --opt-split-attention --opt-sub-quad-attention
2. システム設定の最適化
- 仮想メモリの増設:16GB以上に設定
- GPUドライバの更新:最新版を使用
- 不要なGPUプロセスの停止:タスクマネージャーで確認
高画質生成のテクニック
アップスケーリングを活用した高解像度化
8GB環境で高解像度画像を生成する最も効果的な方法は段階的なアップスケーリングです:
- ベース画像の生成:512×512で高品質な画像を作成
- img2imgでの拡大:768×768に拡大(Denoising strength: 0.3-0.5)
- 最終仕上げ:1024×1024に再度拡大(Denoising strength: 0.2-0.3)
ControlNetを使った効率的な生成
8GB環境でControlNetを使う際のコツ:
- 軽量なControlNetを選択:Canny、Depthなどの軽いモデル
- 解像度を抑える:ControlNet使用時は768×768以下を推奨
- プリプロセッサを事前実行:メモリ使用量の予測が可能
おすすめのモデルとLORAの選び方
8GB環境に適したベースモデル
SD1.5系の推奨モデル:
- ChilloutMix:リアル系、軽量で高品質
- Anything V5:アニメ系、安定した動作
- RealisticVision:写実的、メモリ効率良好
SDXL系の推奨モデル:
- Juggernaut XL:リアル系、最適化済み
- AnimagineXL:アニメ系、軽量
- SDXL Base 1.0:公式、安定動作
軽量で効果的なLORAの選択
8GB環境でのLORA使用のコツ:
- ファイルサイズ:100MB以下のLORAを優先
- 同時使用数:SD1.5で5個、SDXLで2-3個まで
- Weight値:0.7-0.8程度に抑えてメモリ効率化

パフォーマンス監視とトラブルシューティング
VRAM使用量の監視方法
1. GPU-Zを使用した監視
- リアルタイムでVRAM使用量を確認
- メモリクロック、温度も同時監視
- ログ機能で使用パターンを分析
2. A1111内蔵の監視機能
- Settings → Show memory usage in command line output
- コンソールでVRAM使用量を確認
- 各ステップでの詳細な使用量表示
よくある問題と解決策
問題1:「RuntimeError: CUDA out of memory」
- 原因:VRAM不足
- 解決策:–lowvramオプション追加、解像度削減
問題2:生成が異常に遅い
- 原因:メモリスワップが発生
- 解決策:他のアプリケーション終了、設定見直し
問題3:画像の品質が低下する
- 原因:過度なメモリ節約設定
- 解決策:–medvramから–lowvramに変更、sampling steps増加
将来を見据えた8GB活用法
新機能への対応
2026年現在、Stable Diffusionの進化は続いています。8GB環境で新機能を活用するためのポイント:
- モデルの軽量化技術:QuantizationやPruningの活用
- 効率的なアーキテクチャ:LCM、TurboモデルなどのSpeed特化モデル
- クラウドとの併用:重い処理はクラウドサービスと使い分け
8GBで長く使い続けるコツ
- 定期的な最適化:新しい設定オプションの確認
- モデル管理:使わないモデルの定期的な整理
- コミュニティ情報:最新の最適化テクニック収集
まとめ
VRAM 8GBでのStable Diffusion活用は、適切な設定と理解があれば十分に実用的です。重要なポイントをまとめると:
- 起動オプション:–medvramを基本とし、必要に応じて–lowvramを使用
- 解像度管理:SD1.5で1024×1024、SDXLで768×768を目安に
- モデル選択:軽量で最適化されたモデルを優先
- 段階的生成:高解像度はアップスケーリングで対応
- 監視と調整:VRAM使用量を常に意識した運用
8GB VRAMは決して「制約」ではありません。むしろ、効率的な画像生成を学ぶ最適な環境と言えるでしょう。適切な設定で、プロ品質の画像生成を楽しんでください。
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